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「海炭市叙景」
新年明けまして、おめでとうございます。
遠藤です。

一年の平安と健康を祈念して
初日の出を見られ方もいらっしゃると思います。
私がお正月に見た「海炭市叙景」という映画は、
初日の出を見に山に登る兄妹のお話で始まりました。

勤めていた造船所の経営縮小の煽りで
解雇され、暗い大晦日を過ごす兄妹。
つつましく、年越しそばを食べた後、
兄は初日の出を見に行こうと妹を誘います。
二人はありったけの現金をかき集めて
山へでかけました。
ロープーウェーで山頂へ。
初日の出を見て、新年を祝いました。

おめでとう。

兄は、帰りのロープーウェーの切符と
残りの現金すべてを妹に渡し、
自分は歩いて降りるから先に行けと言います。
切符を2枚買うだけのお金がなかったのです。

下で待つ妹。
ターミナルの終業時間が来ても兄は姿を見せません。
待って、待って、固まるように待ち続ける妹。

悲劇の予感!
兄は崖から転落して亡くなっていたのです。

この映画は、函館出身で、20年ほど前に41歳という若さで
自ら命を絶った作家佐藤泰志の作品をもとに
同級生の方の思いに賛同した
函館市民の方々の熱意とエネルギーによって
企画制作されたものだそうです。

製作費や宣伝、地元函館でのロケ協力等だけではなく
配役についても地元市民の参加があったそうで
しかも、メーンキャスト的な役にも
まったく演劇経験のないごくごく普通の市民を
起用したというから驚きです。

「ブタ屋」の老婆も監督自ら発見して
苦労して出演してもらった方だそうで、
その存在感あるリアルティある演技たるや圧巻ものです。

彼女は1匹の猫を友に、「ブタ屋」で生計をたてています。
悪臭を撒き散らし、非衛生的だとして
都市化整備の邪魔にされ、再三立ち退きを迫られながら
オレはこうして生きてきた、命ある限りこうして生きていく。
彼女は自分を曲げません。

でも、
兄を待ち続けるあの妹のように、
猫が出奔してしまい、ひとりぼっちになってしまいます。

ちょっとでも動くと
過酷な運命がなだれ込んでくるようで
身じろぎもできないでいる
ただならない様子の妹に
ターミナルの女性従業員が声をかけます。
大丈夫ですか?

May I help you?
この響きに妹はやっと顔を上げ、
問いかけの主を見つめました。
必死なまなざしで「電話を貸してください」
と応えたのです。
心を開いて、前へ進む気持ちが生まれたのです。

「ブタ屋」の老婆にも後日談がありました。
いなくなっていた猫が帰ってきたのです。
老婆は喜んで、抱き上げ、気がつきました。

お前は腹ボテか?
よし、よし、オレが面倒見るから
安心して生め!!

老い先短く、住む場所すら追われそうなほど不安定な自分なのに!

抱いている猫を撫でる
その手のやさしさ、不自然なほどの美しさ。
命をいとおしむ
まるで、菩薩のような手です。

大丈夫ですか?
大丈夫ですよ。

この映画に込められた
懸命に生きる人々への
メッセージを聞いたように思えました。
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by daimarunet | 2011-01-14 16:05
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